高額買取の可能性大! 中古車市場で需要が高い『軽自動車』 その理由と人気車種とは?

schedule2021年11月30日

自動車市場ではここ数年、コンパクトな軽自動車に注目が集まっており、新車の販売では全体の4割を占めるまでになっています。

ソニー損害保険会社が2021年8月24日に発表した「2021年 全国カーライフ実態調査」によれば、次に購入したい車の車種第1位は軽自動車の「N-BOX」(ホンダ)、次点も同じく軽自動車の「タント」(ダイハツ)でした。
軽自動車の需要がいかに高いかがわかる結果です。

そして、この人気は中古車市場にも引き継がれており、軽自動車を売るときは想定以上の高額で買い取られることも多々ありますが、ではなぜ、軽自動車にそれほどの人気が集まるのでしょうか?

◇普通自動車との見分けがつかない? 改めて「軽自動車」とはどんな車?

普通自動車との見分けがつかない? 改めて「軽自動車」とはどんな車?

軽自動車という言葉自体は頻繁に耳にする言葉ですが、具体的にどのような車のことを指すのか、あまりよくわからない方も多いのが現状です。
「軽くて小さい車」という字面からのイメージ通りである点は間違いないのですが、正確には次のような規格があります。

・サイズ
全長3.4m以下、幅1.48m以下、高さ2.0m以下

・エンジン排気量
660cc以下

・定員
大人4名

・最大積載量
350kg

・ナンバープレートの色
黄色

軽自動車を見かけた際、最初にナンバープレートの色を確認しなかった場合は普通自動車と勘違いすることもあるでしょう。

また、現在の軽自動車の室内は横の広さで勝負できない分、高さを出して開放的な空間になるよう設計されている車種が多く、乗り心地も普通自動車とほとんど変わらないことがあります。

しかし、実際に軽自動車を走らせてみると、坂道を上がるときや高速道路を走るときにエンジンパワーの物足りなさを感じるかもしれません。

前述の規格にもあるように、軽自動車のエンジン排気量は660cc。普通自動車は2000cc以上ですから、やはり走行性能の面では少々劣るのが軽自動車の特徴です。

 

◇高額買取も納得! 中古車市場で軽自動車の需要が高い理由

エンジンパワーは控えめな軽自動車ですが、次のような理由から新車・中古を問わず自動車市場では非常に需要が高く、年齢や性別など属性も問わず人気があります。

・小回りが利いて運転しやすい

小回りが利く軽自動車は狭い道でも運転しやすいため、初心者の方でも安心して乗れる車と言って良いでしょう。
また、車体がコンパクトなので、車庫入れも普通自動車に比べるとだいぶ楽に感じるはずです。

・ちょっとしたお出かけに最適

軽自動車は家族の送り迎え、お買い物、通勤・通学など、比較的近場へのおでかけにぴったり。
公共交通機関がそこまで充実していない地方では、軽自動車が一家のちょっとしたお出かけを支える重要な役割を果たしているため、いわゆるセカンドカーとして一家で複数台所有していることも珍しくありません。

・維持費が安い

車を所有すると税金、ガソリン代、車検費用、自動車保険料などさまざまな支払いが維持費として継続的に発生しますが、軽自動車はこれらが普通自動車と比べて安く設定されています。

たとえば、普通自動車の自動車税は最低でも2万5000円以上ですが、軽自動車であれば一律1万800円で済みます。
不況が長引く日本において、経済的理由から軽自動車を選択しているドライバーが多くなるのは当然の成り行きでしょう。

・デザインが豊富

最近の軽自動車はおしゃれなデザインが豊富です。
どちらかというと女性受けが良い、かわいらしいカラフルなデザインが多い傾向にありますが、これには軽自動車のドライバーには女性が多いことが関係しています。

このほか、年齢や性別を選ばないシンプルなもの、独特のレトロ感があるもの、スポーティーなデザインのものなどがあります。

・アウトドアにも使える車種がある

室内が広く、アウトドアや車中泊にも問題なく対応できる車種が増えたことも軽自動車が人気を集めている理由の一つです。
シートを完全に倒せるフルフラットシートや広めの積載スペースがあれば、お出かけ先での楽しみ方が広がります。

 

◇高額買取の可能性高し! 中古車市場で人気の車種

軽自動車の場合、新車市場と中古車市場で人気車種に大きな違いがないのが特徴です。
この点をふまえつつ、中古車市場における人気の軽自動車をみていきましょう。

・N-BOX(ホンダ)

軽自動車のなかで断トツの売り上げを記録しているのがホンダの「N-BOX」。
見た目は「従来の軽」のようにシンプルですが、高さのあるハイトワゴンなので圧迫感を感じさせません。

子どもが着替えられるほどのスペースが確保されており、大人2人だけならオートキャンプも不自由なく楽しめるでしょう。

安全性も高く、衝突安全性能評価では最高評価を獲得。軽自動車にありがちな軽さゆえの衝撃耐性の弱さもしっかりカバーしています。

・タント(ダイハツ)

「タント」はN-BOXと人気を二分する、売り上げ絶好調の軽自動車です。
シンプルでコロンとしたフォルムに高さを持たせているところはN-BOXと似ていますが、一番の違いは大きくドアが開くピラーレス(柱なし)ドアを採用している点です。

柱がない分ドアが広く開くため、ベビーカーを畳まずに乗せられるほど。子育て世代の方や、ホームセンターでよくお買い物する方には使いやすい車です。

・ムーヴ(ダイハツ)

「ムーヴ」の特徴は、なんといっても低重心で安定した走りをするところでしょう。
同じダイハツでもタントは高さがありますが、こちらは高さを抑えている分、どっしりした安定感があるのです。

また、カラーバリエーションも多く、なかでもピンクやグリーン、スカイブルーはとってもおしゃれ。見た目にこだわるドライバーにもおすすめです。

・ワゴンR(スズキ)

「ワゴンR」は、スズキが誇る人気軽自動車で90年代初頭に登場した車種
燃費の良さと車内の広さには定評があり、軽自動車の長所がグッと詰まった車です。

事故の予防に役立つ「セーフティ サポート」が装備されているので安全面でも信頼できるでしょう。

 

◇中古の軽自動車を高く売る5つのコツ

中古の軽自動車を高く売る5つのコツ
軽自動車は中古車市場では常に需要があるため高額買取が実現しやすいのは事実ですが、それがすべての軽自動車に当てはまるわけではありません。

やはり人気車種であっても買い取る側が低評価をつけざるを得ない場合もあるので、これから軽自動車の売却を検討している方は、次に挙げる「高く売るコツ」をしっかり把握しておきましょう。なお、コツは普通自動車とほとんど共通しています。

1.5年落ち以内に売る

人気の軽自動車であっても10年落ちや15年落ちになると、よほどのことがない限り査定は下がります。
現時点で購入してから5年以内である場合は、早い段階から5年落ち以内の売却を考えておくと良いでしょう。

2.走行距離が5万km以内のうちに売る

また、走行距離も重要です。比較的新しい年式だからといって走行距離が10万kmを越すと査定はどうしても低くなります。

3.車内を清潔に保つ

車内をきれいにしてから査定に出しましょう。あまりに散らかっているとマイナス評価になります。

また、普段から車内を掃除して清潔に保つよう心がけましょう。汚れやほこりは蓄積していくと除去しづらくなります。

4.改造しない

改造車は人によって好みが分かれるため、中古車市場では基本的にマイナス評価です。
数年乗ったら売ると決めている場合は改造しないようにしましょう。

5.ぶつけないように注意する

車種にもよりますが、軽自動車は軽量化されているため衝撃に弱く、どこかにぶつけると凹みやすいというデメリットがあります。
ちょっとした凹みであればさほど査定には影響しませんが、誰が見てもわかるような大きな凹みはマイナス評価になるでしょう。

査定に出す前に修理に出す手もありますが、売る前から高額な修理代を支払うのは損です。
やはり、普段からぶつけて強い衝撃を与えないよう心がけるしかありません。

 

◇運転機会の多い軽自動車だからこそ、普段からの使い方に注意!

軽自動車は小回りが利く便利な車です。そのため、ほとんど毎日乗っている方も多いですが、そうなると車内の汚れやほこりもたまっていきます。
いざ査定に出す段階になって車内の惨状に気づき、掃除に時間がかかって売るタイミングを逃すことがないよう、日々「きれいに、大切に乗る」ことを心がけてください。

一般的に、軽自動車は新車で購入する場合でも普通自動車より安価ですが、中古車として売るときには高値で売れる、「最初から最後までお得な車」です。
そんな素敵な車の価値を日々の汚れで下げてしまわないよう、普段から気をつけましょう!