悪質な事例も? 中古車の購入でよくあるトラブルと対処方法

schedule2021年12月13日

中古車を購入する際、念のため頭に入れておきたいのが「万が一トラブルに遭ったときの対処方法」についてです。

中古車は他のユーザーが以前使用していた車ですので、それぞれ異なる状態で販売されているのが新車との明確な違いであり、使用状況によっては予期せずトラブルが起こる可能性もあります。

信頼できる優良中古車販売店で購入した場合は、リスクも下がりますが、それでも納車後に不具合が見つかるといったケースもありますので、トラブルに遭ったときの適切な対処について知っておくと安心です。

また、中古車販売店によっては悪質なトラブルに巻き込まれる可能性もあるため、「まさか自分に限ってそんなトラブルに遭うわけがない!」と安易に考えず、事前にしっかりと確認しておくことが重要なのです。

そこで今回は、中古車の購入でよくあるトラブルと対処方法についてご紹介します。

 

◇中古車の購入でよくあるトラブルと対処方法

中古車の購入でよくあるトラブルと対処方法
中古車の購入時に起きるトラブルは大きく2種類に分かれており、主に「契約にまつわるトラブル」納車後に起きる故障・不具合のトラブル」があります。
その多くが販売側も気づかず生じた不慮のトラブルであることがほとんどですが、悪質な販売店になると故意に不正が行われたことでトラブルに巻き込まれる危険があるため注意が必要です。

1.納期を一方的に延期にされた

中古車を購入すると納車までのスケジュールが販売業者から知らされますが、納期が一方的に延期になったというトラブルに遭うことがあります。
延期になる理由の多くがオプションパーツの入荷遅れや書類準備の遅れ、車検切れや修理などによるものですが、納期に合わせて予定を組んでいた場合は困りものですよね。

そのため、なぜ納期が遅れているのか、いつ納車されるのか早期にきちんと説明してもらい、その際は代車の用意が可能かどうかも確認してみましょう。

2.購入後に修復歴があることが発覚した

中古車を選ぶ際に、車のフレームなどの骨格部分を修復・交換した修復歴」のない車を選んだつもりが購入後になってから修復歴が発覚するというトラブルがあります。

例えば運転中にハンドルが取られる、高速道路を走行中の風切り音がひどい、まっすぐ運転しているのに左右に寄ってしまうといった症状がみられたため、修理に出してみたら修復歴のある車だったことが分かるケースも。

修復歴がある場合、中古車販売業者は販売時にその旨を表示する義務があるため、もしも偽って販売していることが発覚した場合は契約書に不備があったことになりますので、業者に対して証拠書類を用意し返金・返品の対応を求めることができます。

ただし、過去に事故に遭ったことがある「事故車」の場合は、任意の申告となり、販売時に必ず表示しなければならない義務はないため、ボンネットやバンパーなど車の骨格部分以外の修理であれば「修復歴なし」となるので注意が必要です。この場合は返金や契約違反にできる可能性は低いでしょう。

3.走行距離のメーターが改ざんされていた

中古車を選ぶ大きなポイントの一つとなる「走行距離」を改ざんして、実際の走行距離よりもメーター表示を少なく見せていたことが発覚するトラブルのケースです。
現在は、車検証に走行距離の過去最大値を記載することが義務付けられているため、メーター改ざんのトラブルも減少傾向にあります。

中古車の購入前は車検証を必ず確認して、車の仕様書と走行距離が同じかどうか確認してください。トラブル防止のため車検証とメーターの写真を撮っておくと良いでしょう。
もしも中古車販売業者のメーター改ざんが発覚した場合は契約が無効となり、返金・返品を求めることができます。

4.納車時に最初から傷・汚れがついていた

中古車を購入する前によく確認したつもりが、納車してから傷や汚れがついていることに気づくトラブルのケースです。この場合はいつ傷がついたのか証明することが難しく、返金・返品を求めることが困難となります。

しかし、購入前に傷や汚れについての説明を受けておらず、さらに納車時に最初から現物に傷があったことが証明できれば、修理など何らかの対応をしてもらえることがあります。

そのため、購入前に状態を業者と一緒によく確認し、中古車をあらゆる角度から撮影して証拠写真を残しておくと効果的です。特に再塗装されている車は、傷や汚れを隠している場合があるため注意しましょう。

また、このようなトラブルを避けるために中古車の購入を検討する際はオークションや個人売買はなるべく避けた方が無難です。

5.エンジンの調子がすぐに悪くなってしまった

中古車を購入してから、まだほとんど運転していないにもかかわらずエンジンの調子がすぐに悪くなってしまったというトラブルが起こることがあります。

この場合は、一般人には分からないような車の基本性能に欠陥が発見されたとき、中古車販売業者に対して返品や損害賠償を申し出ることができる「瑕疵担保責任」が適用となります。

もしも中古車販売業者が対応してくれないようであれば、他の修理業者などに点検・修理の見積もりを出してもらい、第三者による証明が提示されることでより具体的な次のステップへと進むことができます。

6.納車時にタイヤなどが交換されていなかった

中古車を購入する際、タイヤなどの消耗品の交換を販売業者に依頼することが可能ですが、納車されてからタイヤ交換等が行われていなかったことが発覚するというトラブルもあります。
契約書にタイヤ交換の依頼に関する記載があるにもかかわらず行われていなかった場合は、そのままにせず業者にしっかりと対応を求めましょう。

また、タイヤなどの交換を依頼する際は口約束で済まさず、必ず契約書に明記してもらうようにしましょう。

7.車内のニオイが気になる

タバコやペット、エアコンなど車内のニオイが原因でトラブルとなることがあります。購入前であれば、別の車を用意してもらうか中古車販売業者に改善を依頼することも可能ですが、納車後に自分で対策する場合は芳香剤を使わずにスチーム消臭を活用してニオイを消すようにしましょう。
芳香剤は効果が薄いだけでなく、他のニオイが混ざり合って余計に悪化させてしまう恐れがあります。

 

◇中古車の購入は安易に契約せず注意深く確認を

中古車の購入は安易に契約せず注意深く確認を

中古車の購入でよくあるトラブルを防ぐには、まずは以下のポイントをきっちりおさえておくことが大切です。

⭐️ 中古車購入のトラブル防止のポイント!

・信頼できる中古車販売店で実物を見て傷や汚れ、故障がないかよく確認する
・契約書や購入後の保証などの書類の内容に不備がないか確かめる
・タイヤ交換など事前に依頼した内容はしっかりと細かく書面に残しておく
・念のため購入前の車の写真をあらゆる角度から撮影して証拠を残しておく

トラブルが起こる原因のほとんどが「書類をよく確認していなかった」、「いい加減で悪質な業者を選んでしまった」ことなどが挙げられるため、安易に契約してしまうことがないように、納得できるまで書類・契約書等を注意深く確認していきましょう。

また、トラブルが起こりやすい個人間での売買やオークションでの購入はなるべく避けて、万が一不備や故障があってもすぐに対応してもらえる近場の販売店を選ぶようにすると安心です。

そして、もしも今回ご紹介したようなトラブルに見舞われ、中古車販売業者に相談しても当事者同士で解決しないときは「国民生活センター」や「自動車公正取引協議会」といった専門機関を利用するのも得策ですが、まずは第三者の目で不備を証明してもらうためにも近場の修理業者に相談してみることをオススメします。